今村大使のインタビュー

令和6年6月5日

6月5日、RTSにて今村大使のインタビューが放映されました~

インタビュー動画及びスクリプト(セルビア語)リンク:
https://www.rts.rs/lat/vesti/politika/5458641/japan-srbija-akira-imamura.html

当館作成インタビュー仮訳(項目番号は当館付記):
1 (質問:駐セルビア大使として着任されてから1年が経過しようとしているが、セルビア・ベオグラードは住んでみてどのように見えるか。)
2004年に短い滞在ではあったが最初にセルビアを訪問し、再び戻ってきた。セルビアが安定した国に発展し、またベオグラードは近代的な都市に変貌を遂げたことを嬉しく思う。今般のセルビアの経済代表団の訪日は、2025年の大阪・関西万博についても日本側と意見交換をしたが、それはセルビアを世界に紹介し、その魅力を発信する場となろう。そこで2027年のベオグラード認定博開催を紹介するのもの良いアイデアであろう。

2 (質問:最近、JFE商事の鍬入れ式があった。以前、貴使はこの新規投資はセルビアに先端技術を紹介するだけでなく、更なる投資も呼び込むと述べていた。口コミによって日本の投資が増えているということであろうか。)
確かに、ここ数年で日本企業の投資は徐々に増えている。2022年には初めて(セルビアに対する)国別(の投資数)で10位以内になった。英語が堪能な優秀な人材が多くいる点や、政府や自治体からの支援体制がある点を日本企業はとても高く評価している。しかし、残念ながら、セルビアでのビジネスの仕方については日本では未だあまり知られていない。そのことから、今般のセルビアの経済代表団の訪日はとてもタイムリーであり、セルビアでビジネスを行う際の利点をプレゼンするよい機会になるだろう。

3 (質問:セルビア日本商工会(JBAS)の会長は、日本企業はエネルギーとテクノロジーに関心があると述べているが、こうした分野での新たな投資を期待できるか。)
(日本とセルビアは)脱炭素化を達成するという目標を共有している。日本は各国のグリーン・トランジションの取組を支援していきたい。ビンチャで間もなく開始されるプロジェクトはこのような事業のよい一例だろう。このプロジェクトは廃棄物から発電するものである。言い換えれば、ベオグラードの世帯の廃棄物から発電を行い、それが世帯に電力として返還される。これは、日仏共同事業の好例でもあり、地中に投棄されドナウ川を汚染していた廃棄物を処理することができるようになる。数年以内に、セルビアにおいて類似のプロジェクトが開始されることを私は期待している。

4 (質問:セルビア人は日本といえば「働き者」、「敬意」、「先端技術」、「寿司」などの言葉を思い浮かべるが、セルビア人はどのような言葉で表されるだろうか。)
ジョコビッチと二コラテスラ(を思い浮かべる人が多いのではない)だろうか。私は日本人とセルビア人には似ているところがあると思う。日本人もセルビア人も近代化へのあこがれを持ちながら歴史と経験に基づいた伝統の維持に努めてきた。それらは矛盾しているように見えるかもしれないが、日本は自己アイデンティティーを維持しつつ近代化に成功したのであり、両者は両立する。セルビアの場合も同じだと思う。歴史について言えば最近スレブレニツァの問題が提起された。このような悲劇を繰り返すべきではない。我々はボスニア人だけでなく、セルビア人もクロアチア人も同じように重要であり、全ての犠牲者に祈りを捧げる。日本も和解に向けた地域協力の努力を支援していきたい。

5 (質問:駐日セルビア大使は、両国間の関係は信頼と団結に基づいていると述べた。日本は困難な時に支援をしてくれたことで知られており、最も有名なのは、「ヤパナツ」として親しまれている、日本からベオグラードに20年前に寄贈された黄色いバスである。何か新しい贈与は計画しているか。)
日本とセルビアは真の友人である。両国はお互いに困難な時に助け合ってきた。我々は2011年に大地震と津波に直面した時のセルビアからの支援を忘れない。200人以上の命が失われた大地震(能登半島地震)の時もまた、セルビアの大統領が哀悼の意を表してくださった。「困った時の友は真の友」とは日本とセルビアのことだと思う。黄色いバスは日セルビアの友好関係のシンボルになっており、大変良好なメンテナンスが行われてきた。昨年、ついに退役したが、通称「ヤパナツ」退役の記念式典を行ってもよいかもしれない。今後の贈与を検討するにあたっては、次世代のモビリティーについてベオグラード市の考え方を聞くべきと考える。もちろん社会福祉、教育、保健、環境といった他の分野における贈与プロジェクトはセルビア全土で続けていく。各自治体やNGOとも協力していきたい。